でたどり着いくら考


暫く前から何となくではあるが、それらしい事を言っておった
「お戻しする」と言った手前、聞いてはおらぬ振りをしていたが...


徳興君との婚礼を破談にし、典医寺に戻られ、毒の事に気づいたおり泣きながら「残って良いか」と。


そんな問いかけに答えなど出せるはずもなく
俺の気持ちを嘘偽り無くお伝えすれば貴女は天界には戻るまい

しかし今、貴女に必要なのは俺ではなく毒を消す薬


あの徳興君さえ居らねばこの様な事王賜豪には成らずに済んだものを
あの時に殺っておかなかった事を今さら悔やんでも遅い

元の使者だか知らん奴まで貴女の命を狙っておる
俺は一体どうすれば...

この数日貴女と二人っきりで森を歩いていると素の男に戻る瞬間が有り激しく心が揺れ動く

心が揺れ、言うてはいけない言葉を貴女に言ってしまいそうになる
「残ってほしい」と
その自分の欲でしかないその申し出にきっと貴女は答えてくれるだろう

それともこのまま逃げて一緒に天門を潜るか

駄目だ、俺は全てを捨てられんし
毒だってどうにも出来はしない


俺は今、貴女を守って天界へ送ってやる事しかできぬ


そんな俺があの言葉を言って良い訳はない

言うてはいけないのに口が勝手に動きかける
その度に手をキツく握る
例え自分の爪が掌に食い込んだとしても緩める事はない
夕刻睨んでいた通りキチョルがそ王賜豪の宿に入り、人払いをしたと連絡が入る

この調子で走っても夜になってしまうが構う事は無い

隊で動いてはおらぬのだ

朝だろうが夜だろうが俺の勝手だ

「チュホン、もう少し頑張れるな」

そう言って首筋の辺りを叩いてやると、鼻先をすりよせて来た


日が暮れた頃、俺はやっとその村に着いた

連絡係のスリバンが近づいてきたが、俺一人の方が仕事がしやすいので店の外で見張るよう伝える

チュホンをそいつに渡し、宿の戸を開けようとしたが、内側に鍵がかかっている

面倒くさくなったので足で力の限り蹴飛ばし戸ごと壊して開けて中にはいる
毒使いが袖に手を入れたので、まずは椅子を放り投げ、袖から手を出させた。

次に笛男が仕掛けて来た所を交わしつつ、その刀をそのまま毒使いの腹に向ける

するっと細身の剣先が毒使いの腹に収まる


どうっと毒使いはその場に倒れ込み、笛男は完全に切れた

捨て身で刀を振るがその動線は止まっているように見えた

先手を取って切り込むと其処にあった机を楯のように使って来る

視線が途切れた所で、机ごと鬼剣で突き刺す

笛男の口端からつうっと赤い筋が流れ、机ごと倒れ込む
あんなに呑むつもりなど無かった…
こんなに頭痛がして、目も回り、胸も何だかも脫髮治療やもやとしているこの感じは間違いなく二日酔いになっていて言う話では無いけど…


記憶も少し跳んでいるみたいでどうやってこの寝えても記憶は戻ってこない…

昨日は夜あの人と一緒だったからあの人に聞くのが一番だろうが

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