訪ねて来て 2016年01月20日 二人で何軒か回って、漸く行き当たった。 「へえ、関の小万さんなら、うちにいてはります」 「よかった、すぐに会わせて貰えますか」 「へえ、呼んできます、待っておくんなはれや」 弥太八が隠れた。悪戯ではなく、合わす顔がなかったのだろう。 「おや、江戸の辰吉さんではありませんか、弥太八が見つかりましたか」 「それが…」 小万の顔が曇った。 …続きを読む
れ受け止めない 2016年01月15日 『辰吉は、あっしを必要としなくなったのか、次は誰を護ってやろうかな』 「あっ、ごめん、ごめん」 新三郎は、亥之吉に憑いて戻ってきた。新三郎にしてみれば『辰吉は、つー と言えば、かぁ の仲だと思っていたのに、探りに行ってい辦公室傢俬る間に帰ってしまうなんて』と些か憤慨している。 「何? その、つー と言えば、かぁ って」 「つー は口を閉じ気味に言う、かぁは、…続きを読む