まま口の端

絞めたという前科がある以上、このような緊迫した状況では行かせられないだろう。以前の二の舞になりかねない。悠人自身もそのことを自覚しているのか、悔しげに歯噛みしつつも素直に引き下がった。 「手を貸してほしいときには連絡します」  誠一はうつむく悠人に視線を送りながらそう言うと、再び剛三に一礼し、今にも走り出しそうな勢いで書斎をあとにする。その背中には、澪たちの前では見せなかった怒りが滲み出てい…

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